用語集

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ワイヤーロッド

ワイヤーロッドは、ばね製造において基本的かつ重要な素材であり、金属の棒状素材を加工して得られる線材のことを指します。通常、コイル状に巻かれた形態で供給され、鉄鋼材料が一般的ですが、用途によってはステンレス鋼や特殊合金も使用されます。この素材は、高い強度と伸び特性を持ち、ばねの性能や品質を支える基盤となります。

ワイヤーロッドの特徴は、均一な品質と加工性の良さにあります。製造段階で直径や表面仕上げが精密に管理されており、加工後のばねの安定した性能を実現します。例えば、細かい寸法調整が可能な引抜き加工を経て、製品に必要な線径へと仕上げられます。また、用途に応じて、焼きなましや焼き入れといった熱処理を施し、さらに耐食性を高める表面処理が行われることもあります。

ばねの種類に応じた適応性も、ワイヤーロッドの重要な要素です。この素材は、圧縮ばねや引張ばね、ねじりばね、さらには形状記憶ばねなど、多種多様なばねに利用されます。具体的には、自動車部品、家電製品、工業用機械、さらには医療機器や建築資材といった幅広い分野で使用されており、製品の性能や耐久性に直結する素材としての役割を果たしています。

ワイヤーロッドの選定は、ばねの最終用途や動作環境に基づいて慎重に行われます。例えば、自動車のサスペンション用ばねでは耐疲労性が重要視される一方、電子機器の小型ばねでは高精度と軽量性が求められます。これにより、製品全体の信頼性や性能が左右されるため、ワイヤーロッドの品質管理はばね製造の中でも特に重要な位置を占めます。

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