用語集

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トーションばね

トーションばねとは、一般に「ねじりばね」とも呼ばれ、螺旋形状をしていて、ねじれによって弾性力を発揮するばねの一種です。主にねじりのひずみによってエネルギーを蓄え、ねじれが解かれるときにそのエネルギーを放出する仕組みを持っています。以下に、トーションばねの特性や応用例について詳細に説明します。

特性と構造:トーションばねは、通常、円環状やねじれ線形状をしています。その形状により、ねじれを加えたときにそのねじれ角度に比例して弾性ねじれエネルギーが蓄えられ、ねじれが解かれるときには逆の方向に力を発生させます。これにより、ねじりの回復力やトルク伝達能力が特徴とされます。

トーションばねの材料には、一般に高強度で弾性率が高い素材が使われます。例えば、高炭素鋼やステンレス鋼が一般的ですが、特定の応用に応じてチタン合金やニッケル合金などの特殊素材も選ばれることがあります。これにより、耐熱性や耐食性を向上させることが可能です。

応用例:自動車産業: 自動車のサスペンションバーに使われるトーションばねは、車体の安定性や応答性を向上させる役割を果たします。特に、スタビライザーバーなどに多く使用され、車両のコーナリング性能や操縦安定性に寄与します。

  1. 工業用機械: 機械装置や機器のパーツとして使用されることがあり、トルク伝達や動きの制御に重要です。例えば、ドアヒンジや弁の開閉機構、クランプ装置などで広く利用されています。

  2. 家庭用品: 日常生活の中で、トーションばねはさまざまな製品に組み込まれています。例えば、ツールのハンドル、家具のドアや蓋の開閉機構、キッチン用品のスプリング付きの器具などに使用され、使いやすさや安全性を向上させています。

トーションばねの製造は、高度な巻線技術と精密な加工技術が要求されます。ばねのねじれ角度や巻き数、直径の均一性などが製造過程で厳密に管理され、ばねの性能と耐久性を確保します。加えて、ばねの材料や表面処理、熱処理なども、製品の品質向上に寄与します。

最新技術と今後の展望:トーションばねの設計と製造技術は、常に進化しています。材料科学や工学の進歩により、より強力で耐久性のあるばねが開発され、高温・高圧環境での使用や精密な応用においても高い性能を発揮します。今後は、さらなる軽量化やエネルギー効率の向上が期待されており、自動車や工業機器、家庭用品など幅広い分野での利用が拡大すると予想されています。

トーションばねはその特性から、様々な機械的な機能をサポートし、多くの産業で欠かせない部品として存在しています。その使途や技術革新により、今後もさらなる進化が期待されるばねの一種です。

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